矯正歯科デーモンシステムの特徴
矯正歯科デーモンシステムが矯正歯科専門医にとどまらず、 多くのメディアで話題となっているのは 「生体に優しい、非常に弱く持続的な力で歯を動かす」 という理想的な矯正歯科治療を実現したからです。 このシステムは、今までの矯正歯科医療におけるparadigm shiftと言えるものです。
「21世紀の矯正歯科 デーモン・システム」 「デーモン・システム その治療アプローチの本質をとらえる」Dr. Alan P Pollard
矯正歯科デーモンシステムがクライアントの皆様にもたらすメリット
1.矯正歯科治療に伴う痛みが大幅に軽減されます。 2.治療期間や通院回数が減ります。 3.歯を抜かずに治療出来る可能性が高くなります。 4.歯周組織(歯を支える歯肉、歯槽骨etc)の健康が維持・増進されます。
ATTENTION
矯正歯科デーモン・システムはデーモン・ブラケットとハイテク・ワイヤーの使用でオートマティクに達成できるといったものではありません。 正しい診断と綿密なブラケット選択・ワイヤー交換時期など、包括的に熟考された治療体系を意味します。
デーモン・ブラケットの特徴
1.スロットが4つの硬く滑らかな壁で構成されており、ローフリクション(少ない摩擦)での歯の移動を実現しました。 2.シャッター式でワイヤー交換しやすく、毎回の治療時間が短縮に。 3.エッジをラウンドシェイプさせ違和感を軽減。より衛生的な構造に。 4.ステンレスとコンポジット(透明樹脂)の併用により審美性が向上。 デーモン・ブラケット最大の特徴は、矯正歯科治療において歯を動かす力となる「ワイヤーの固定の仕組み」を変えたことです。
従来の方法ではワイヤーとブラケット・スロット(ワイヤーが収まるコの字型の溝)は結紮線(細い固定用ワイヤー)やエラスティック(ゴム製の固定材)によりタイトに(ぎゅうぎゅうに!)固定されていました。
ネジレやデコボコが強い歯を結びつけると、その歯には生物学的許容範囲よりも強すぎる力が加わるため、一種の貧血状態を生じます。 これは骨の代謝を遅らせるとともに、歯の周りの組織にもダメージを与えてしまいます。(右欄参照) この状態で歯を動かすことは「ブレーキを踏みながら車を走らせている」ようなものです。
一方、デーモン・ブラケット最大の特徴は“シャッター式の「パッシブ・セルフ・ライゲーティング・システム」です。 スロットが四角いトンネル状になっており、結紮線やエラスティックを用いずワイヤーを通すだけなので、 ワイヤーの動きに自由度があり、歯を締め付けることがありません。
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これにより、歯根膜の血流を阻害しない範囲の「弱く持続的な矯正力」が実現し、 歯槽骨代謝が促進されて「歯が骨ごと動く(歯の移動に骨がしっかりついてくる)」ことが可能となりました。 矯正歯科治療での抜歯の可能性が減り、歯周組織の健康も維持・増進されるのです。
「生物学的根拠に基づいた 真に弱い力のメカニクス」Dr.Robert N Borkowski
歯が動く仕組み〜なぜ歯根膜の血流を維持しなくてはならないのでしょうか? 歯根膜とは何か? 歯根膜は歯根周囲を取り巻き,歯と歯槽骨を結び付けその空隙を満たしている線維性結合組織(コラーゲン繊維)です。 歯根膜には血管や神経が網目状に広がり、歯根への栄養供給や、咬合力を和らげるクッションの役割をするとともに、その刺激・感触を脳へ伝える働きがあります。
ウサギの歯根膜(歯周靭帯)の走査顕微鏡写真(×180) 血管構造は繊細・脆弱なネットワークで、歯根と歯槽骨壁の間の歯根膜(薄いクッション)の中に広がっています。 ヒトの歯根膜(歯周靭帯)でも同様な構造が認められます。矯正歯科デーモンシステムは、この「繊細・脆弱な血管のネットワーク」=「生体の代謝」 と調和のとれた矯正歯科治療を実現したのです。
適切な矯正力が加えられた時の歯根膜周囲の反応(デーモンシステム) 歯に適切な矯正力(歯根膜の血流を阻害しない)が加えられると、歯が移動する側(圧迫側)では歯槽骨壁と歯根とを結合している主繊維が圧縮され歯根膜の組織圧が上昇します。 歯根膜繊維は一定の厚みを維持しようとするため、固有歯槽骨の骨膜が反応して破骨細胞(骨を吸収する細胞)を生じ,圧迫部位の歯槽骨壁を吸収します(直接性吸収)。 また反対側(牽引側)では主線維が伸展し,線維中に介在する血管の血流亢進が生じ、主線維の付着している固有歯槽骨の骨膜で骨芽細胞(骨を造る細胞)の増殖・代謝活性が促進され、骨が新生されます。 過度な矯正力が加えられた時の歯根膜周囲の反応(従来型矯正装置) 一方、歯に加えられる矯正力が強すぎると、主繊維が圧迫され血管が閉塞して歯根膜に重度の血流障害が生じます。それにより線維などの細胞基質は変性してしまいます(硝子様変性)。 破骨細胞はこの変性組織周囲の歯槽骨表層には接近できないため、骨髄側に出現した破骨細胞により歯槽骨壁の背面あるいは側面からの吸収が進みます (間接性吸収:隣接する障害を受けていない領域に由来する細胞の働きで行われる骨吸収)。この様式では吸収すべき骨の量が多くなるとともに血管の再形成を待たなくてはならないた め、歯の移動には相当な時間を要します。 これは「ブレーキを踏みながら車を走らせている」ようなもので、非常に効率が悪いのです。
ハイテクワイヤーの特徴
デーモン・カッパーナイタイ ニッケル・チタン合金に銅を加えることで特定の温度変化率を持たせたワイヤーです。 治療初期のデコボコが強い段階(ワイヤーのたわみが大きい)では、発揮する力が弱く歯の血流を守ります。 歯が並んできてワイヤーのたわみが少なくなるに従って、相対的な硬さが増し強い力を発揮します。
デーモン・ローフリクションTMA 従来のステンレス・スチールワイヤーの2倍の弾性と42%の硬さを持つ便利なワイヤーです。 特殊な表面加工により滑りが良く治療の妨げとなるワイヤーとスロット間の摩擦を大幅に減少しました。
「力の弱いアーチワイヤーを最大限に利用する」Dr. Terry D Carlyle
ローフリクションメカニクスでの歯の動き
case 1
before
set
3month
case 2
4month
case 3
デーモン・システムと同様に“ロー・フリクション”のコンセプトで開発されたのが、クリアスナップです。
クリアスナップはプラスチック製のパッドで、スロットをカバーするように装着され、ワイヤーをスロットに押し付けない構造になっています。
一部にステンレスを用いているデーモン・ブラケットに比べて、審美性に優れているのが特徴です。
Clinical impression デーモン・ブラケットのスロットは硬い4つの壁で囲まれているのに対して、クリアスナップはプラスチック製のため、 ワイヤーのたわみ方向によってはやや変形し、少なからず摩擦が増加しているようです。 しかし従来の透明ブラケットに装着することが可能で、デーモン・ブラケットより審美性に優れています。 いわばハイブリッドタイプの装置と言えるでしょう。(トヨタのプリウスみたいに)